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こんな遺言は無効です

 せっかく作成した遺言が、無効になるケースは、どんな例があるのか紹介していきましょう。  まずは、遺言が、遺言としての方式を欠いているときです。遺言状には年月日を記す必要がありますが、例えば年月だけ、月日だけを記した場合は、その遺言は無効になります。その他、遺言は1人で作成するのが基本となりますから、例えば夫婦2人で署名した遺言などを作成しても、無効ということになります。この場合、共同遺言を禁止した民法に反しているから無効、ということになります。共同遺言が禁止されているのは、基本的に遺言状の自由度を確保できないからです。通常遺言状は、被相続人の意思で自由に書き換えたり、撤回したりすることが可能です。共同での遺言は、自分ひとりの意思でなかなか撤回できないことが容易に考えられるため、無効となるのです。
 また、強制されたり、騙されたりして書かれた遺言も無効になります。遺言者が、遺言をする能力を有していないとみなされる場合も同じように無効になります。遺言が、遺言を残した被相続人の意思を反映したものでなければいけないのは当たり前の事です。相続人が、自分に有利になるように強制的に遺言を書かせたりした場合、それが発覚すれば相続人は、相続の権利そのものを失うことになります。
 そして遺言には、遺言年齢というものがあります。遺言を残すことが出来る年齢については、もちろん上限はありませんが下限があり、満15歳未満の人は、仮に遺言を残しても遺言年齢に達していませんから、無効となります。
 また、遺言の方式を守って作られていても、その遺言内容で無効になることももちろんあります。たとえば不倫関係にある愛人に相続させたい場合や、相続財産を得るために、上位、もしくは同位の相続人を殺害したりした人などは、公序良俗に反するものとして、無効とみなされます。ただし、愛人や妾などが相続権を得られるかどうかは家庭裁判所の判断次第で変わります。例えば寝たきりになってしまった被相続人を献身的に介護した場合などは有効となる場合もあります。

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