これだけは知っておきたい、遺産相続ガイド

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遺産相続の手続き

 実際の、遺産相続の流れを見ていきましょう。相続は被相続人が亡くなったときから開始させます。例外的に死亡届けが出せない失踪宣告によって相続が開始することもあります。
 最初に必要なのは、遺言状の確認です。公正証書遺言以外の遺言状がある場合は、家事審判申し立て書を提出して、家庭裁判所で検認手続きを行う必要があります。家事審判申し立て書は、遺言状の有効性を審査するというような目的ではなく、内容の改変や偽造などを防ぐ、遺言状を守るための制度です。そして遺言状がなければ法定相続に基づく相続人同士の話し合いで、話し合うことになるでしょう。遺言状があればそれが優先されることになりますが、遺留分を犯していたり、公序良俗に反する遺言内容が書かれていたりすれば、後に家庭裁判所に異議申し立てを行います。また、戸籍を確認して全ての法定相続人を確認します。
 遺言の有無を確認したら、遺産目録を作ります。不動産や貯金以外にも、ローンなどの借金も、もちろん目録にします。そしてその遺産目録をもとに、相続人全員が話し合い遺産分割協議を行います。この協議が上手くまとまらなかった場合は、家庭裁判所で分割協定をすることになります。そして具体的に誰がどのくらい、誰が何を相続するのか決まったら、相続方法を決めることになります。単純承認か、もしくは相続放棄、あるいは限定承認か、です。その後、相続が開始してから4ヶ月以内に準確定申告を行います。
 遺言状の通りに相続する場合は不要になりますが、相続人同士が協議して遺産を分割する場合には、遺産分割協議書を作成します。相続人全員が納得しなければいけませんから、全員の実印が必要になり、また印鑑証明も必要です。
 そして、相続税申告書を作成し、相続税の申告と納付を行います。最後に不動産登記、預貯金などの名義変更を行って、ようやく相続は終了することになります。なお、失踪宣告によって相続が開始された場合、被相続人が生きていた、ということもあります。失踪宣告を取り消せば、相続はなかったことになります。ただし、相続した財産を使ってしまったり、処分したりしてしまった場合は、残っているものを返せばいいことになっています。

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