相続できない相続人
法定相続人であっても、相続できないことを、相続欠格といいます。相続排除のためには、家庭裁判所に申し立てて認められる必要がありますが、相続欠格は相続欠格事由が認められればその時点で相続権を失います。
この相続欠格に該当するのは、以下のケースです。
●被相続人や、自分より順位が上の相続人、もしくは同順位の相続人を殺害もしくは、殺害未遂を犯したもの。この場合は、「刑に処せられた者」が欠格の要件になっていて、執行猶予が認められたり、執行猶予期間が満了していたりすれば欠格理由にはなりません。そしてもちろん、過失による死亡の場合は、この限りではありません。
●被相続人が殺害されたと知っていながら、黙っている人。ただし、自分の配偶者、子供が殺人を犯したことを黙っていても相続欠格にはなりません。
●遺言状を強制・改ざん・破棄・隠匿した人。詐欺によって自分に有利な遺言状を書かせた場合や、自分に不利な遺言を隠した場合はもちろん、遺言の書き換えを邪魔した場合なども欠格理由となります。
基本的に相続欠格となるのは、自分の相続権を守るため、相続権を得るため、有利な相続をするために、犯罪行為を起こした場合、ということになります。